「おしっこをすると痛い」「尿道の先がヒリヒリする」こうした症状を排尿痛(はいにょうつう)といいます。
排尿痛は、膀胱・尿道・前立腺などの感染症や炎症が原因で起こることが多く、中には治療を急ぐ病気もあります。
女性に非常に多い病気です。
● 主な症状
尿道から膀胱へ細菌が侵入して起こり、尿検査で白血球・細菌が見られます。
→ 抗生剤治療で数日以内に治ることが多いです。
※高熱・強い背中の痛みがある場合
腎盂腎炎(じんうじんえん)の可能性があり、重症化するため早期受診が必要です。
男性の排尿痛では前立腺炎が代表的です。
● 種類
● 症状
慢性化しやすく、ストレス・デスクワーク・運転の刺激で悪化することがあります。
特に若い男性で多い、性感染症(STI)が原因。
● 特徴
女性は症状が軽く、気づかないうちに感染が広がることもあります。
※放置すると尿道狭窄(尿道が細くなる病気)になり、将来の排尿障害の原因になります。
長期間治らない排尿痛は、必ず泌尿器科の精密検査が必要です。
次のような場合はすぐに受診してください。
排尿痛は、多くの場合治療で良くなります。
しかし、「自然に治るだろう」と放置すると、
など、重症化することがあります。
痛みを感じたら、早めの受診が一番の近道です。
排尿した後も膀胱に尿が残る状態です。
残尿が多いと、「膀胱の空き容量」が減るため頻尿になります。
主な原因
排尿に関わる症状は、大きく「排尿症状」「蓄尿(ちくにょう)症状」「排尿後症状」の3つに分けられます。
尿をうまく出せないことで起こる症状です。
膀胱に尿をためる機能がうまく働かないと起こります。
排尿困難は主に「通過障害」と「膀胱収縮障害」のどちらか(ときに両方)が原因です。
■ 通過障害(尿の出口が狭くなる)
膀胱から尿道への通り道が狭くなることで起きます。
最も多い原因は前立腺肥大症(男性)です。
● 前立腺肥大症とは?
前立腺は膀胱の出口にあり、尿道を取り囲んでいます。
加齢とともに前立腺が大きくなると尿道を圧迫し、以下のような症状が出ます:
70代男性では10人に1人以上が前立腺肥大症と診断されています。
■ 膀胱収縮障害(膀胱がうまく動けない)
膀胱を収縮させる神経が障害されると、うまく尿を出せなくなります。
代表的な原因
症状
排尿症状は、男女問わず起こるとても一般的な症状です。
ただし原因はさまざまで、自分で判断するのは難しいため、以下の場合は受診をおすすめします:
泌尿器科では、原因を調べた上で、薬物治療・行動療法・生活指導など、症状に合わせた治療が受けられます。
排尿困難がある男性では、前立腺がんのチェック(血液検査PSA)も行うことが推奨されます。
前立腺がんは早期であれば治療の選択肢が多く、負担の少ない治療が可能です。
排尿の悩みは「歳のせい」と思われがちですが、多くは原因があり、治療できる症状です。
困ったときは早めにご相談ください。
あなたの生活の質を大きく改善できる可能性があります。
「トイレが近い」「尿の回数が多い」という状態を頻尿といいます。
一般的には、朝起きてから寝るまでの排尿回数が8回以上の場合に頻尿とされます。
ただし、人によって水分摂取量や体質は異なるため、8回未満でも“多いと感じれば頻尿”です。
頻尿には多くの原因があります。主に次の6つに分類できます。
膀胱が勝手に収縮してしまい、十分に尿がたまっていなくても急にトイレに行きたくなる病気です。
特徴
原因
日本には1000万人以上の患者さんがいる非常に一般的な病気です。
膀胱の問題ではなく、1日の尿量そのものが増えるタイプです。
原因
この場合は1回の尿量は多いのが特徴です。
膀胱炎・前立腺炎などの感染症で頻尿になります。
特徴
頻尿はまれに膀胱がんの初期症状として現れることがあります。
特に以下の人は注意が必要です:
泌尿器の異常がなくても、「トイレが気になる → 何度も行ってしまう」という状態です。
特徴
原因ごとに対処方法が異なるため、まず自分の頻尿がどのタイプか把握することが大切です。
1)排尿日誌をつける(非常に有用)
3日ほど、次を記録します:
これだけで多尿なのか、過活動膀胱なのか、残尿タイプなのかがかなり分かります。
2)水分をとりすぎていないか確認
水分量が多すぎる場合は、まず調整することで改善することがあります。
3)泌尿器科の受診を検討
以下のような場合は、専門医への受診がおすすめです:
泌尿器科では、尿検査、残尿測定、超音波検査などを行い、原因に応じた治療を行います。
頻尿は「ただ年のせい」ではありません。
原因を調べることで、治療できるものが多くあります。
まずは排尿日誌をつけてみて、困ったときはいつでもご相談ください。
自分の意思とは関係なく尿が漏れてしまう状態を「尿失禁」といいます。
40歳以上の女性の4割以上が経験していると言われ、実際はとても多い悩みです。
しかし、恥ずかしさから我慢してしまう方も多く、適切な治療を受けていないケースが非常に多いのが現状です。
尿失禁には原因に応じた治療がありますので、つらい場合はぜひ泌尿器科へご相談ください。
急に強い尿意が来て我慢できずに漏れるタイプ。
※原因が不明でも起こることが多い
尿失禁の原因を正確に調べるために、次のような検査を行います。
● ① 問診・診察
症状の種類・頻度を確認します。
● ② 排尿日誌
3日間、排尿量・時間・漏れの有無を記録。
→ どのタイプの尿失禁かが明確になる
● ③ 尿検査
膀胱炎などの感染症の有無をチェック。
● ④ 残尿量の測定(エコー)
排尿後にどれくらい尿が残っているか確認。
必要に応じて以下も行います:
切迫性尿失禁の治療
● 薬物療法
いずれも膀胱の過敏さを抑えて尿意切迫を改善。
● 行動療法
原因となる排尿障害の治療が中心です。
尿失禁は命に関わる病気ではありませんが、生活の質(QOL)を大きく低下させる病気です。
そして、必ず治療があります。
「恥ずかしいから…」
「年齢のせいだから…」
と我慢する必要はありません。
尿漏れが気になってきたら、どうぞお気軽にご相談ください。
あなたに合った最適な治療を一緒に考えます。
腹圧性尿失禁(最も多いタイプ)
咳・くしゃみ・走る・ジャンプ・重い物を持つと漏れるタイプ。
※女性の尿失禁で最も頻度が高い
腹圧性尿失禁の治療
● 骨盤底筋訓練(最初に行う基本治療)
骨盤底筋(尿道を支える筋肉)を鍛えることで、尿漏れを改善・予防できます。
● 体重管理(肥満の改善)
急激に太った場合、減量が非常に有効。
● 手術(改善が不十分な場合)
血尿はさまざまな病気で起こります:
● 腫瘍(命に関わるものを含む)
● 尿路結石
● 膀胱炎・腎盂腎炎などの感染症
● 腎臓の内科的な病気(糸球体疾患)
● 血管の異常(まれ)
血尿を指摘されたら、まず泌尿器科の受診がおすすめです。
典型的な検査の流れは以下の通りです:
① 尿検査
② 超音波検査(まず行う)
③ CT / MRI
④ 膀胱鏡検査
⑤ 尿細胞診
血尿は、体が発する「早期発見のチャンス」です。
という判断は危険です。
早く見つければ、負担の少ない治療で済む病気ばかりです。
尿の色に「あれ?」と思ったら、まずは尿検査を受けましょう。
「最近、尿に泡が増えた」「足がむくむ」――それ、腎臓からのサインかもしれません。
尿に泡が増える(蛋白尿のサイン)
尿に泡が立ちやすい・なかなか消えない場合、尿の中にタンパク(尿蛋白)が漏れていることがあります。
腎臓の「ろ過フィルター」が傷んだときに起こる重要な異常で、慢性腎臓病(CKD)の初期サインになることもあります。
特徴
こんなときは腎臓のチェックをおすすめします。
むくみ(腎臓が水分を調整できていないサイン)
腎臓の働きが低下すると余分な水分を排出できず、体に水がたまりやすくなります。
特徴
むくみが強くなると、肺や心臓に水がたまり息苦しさ・心不全につながることもあります。
※心臓・甲状腺・静脈・リンパの異常でもむくみは出ます。原因の見極めが重要です。
1)尿量の変化・夜間頻尿
腎機能が落ちてくると、まず“尿を濃くする力”が弱まり、薄い尿が多く出ます。
ただし、過活動膀胱・前立腺肥大症・糖尿病・水分過多などでも起こるため、腎臓のチェックが必要です。
2)だるさ(全身倦怠感)
腎機能がかなり落ちた段階で出やすい症状で、「とにかく疲れる」「休んでもだるい」などが特徴です。
原因
この症状が出るころには進行していることもあります。
3)貧血(腎性貧血)
腎臓は赤血球を作るホルモン(エリスロポエチン)を出しています。
腎機能が低下するとホルモン不足となり貧血が進行します。
症状
貧血を放置すると心臓にも負担がかかるため治療が必要です。
4)かゆみ
発疹がないのに全身がかゆい場合、腎臓の働きが大きく落ちている可能性があります。
透析患者さんの約半数が感じると言われ、皮膚の乾燥や老廃物蓄積が関与します。
腎臓は「沈黙の臓器」で、症状が出たときには進行していることも少なくありません。
腎臓の病気は早期で気づくほど治療の選択肢が増え、進行を防ぐことができます。
「年のせい」「疲れのせい」ではなく、気になる症状があれば一度ご相談ください。
尿検査や血液検査、エコー検査で、腎臓の状態を詳しく確認できます。
「まだ治らないおねしょ…それには理由があります。」
夜尿症(おねしょ)は、5歳を過ぎても月1回以上、睡眠中に無意識に尿をしてしまう状態です。
日本では小学生の5〜10%が経験しており、珍しいことではありません。
夜尿症の原因はさまざまです:
| 原因 | 内容 |
|---|---|
| 尿を濃くするホルモン(ADH)が夜に出にくい | 夜間の尿量が多くなる |
| 膀胱が小さい or 夜間の膀胱が安定しない | 尿をためられない |
| 寝ている時に尿意で起きられない | 覚醒障害 |
| 便秘・睡眠障害・ストレス | 補助的な要因になることも |
| 対策 | 具体例 |
|---|---|
| 水分の調整 | 就寝3時間前から飲みすぎない |
| 夕食の塩分を控える | 塩分を減らすと夜間尿量も減る |
| 寝る前に必ずトイレへ | 習慣化が大事 |
| 便秘がある場合は改善を | 膀胱が圧迫されやすくなる |
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| アラーム療法 | 寝ている間に濡れると音が鳴り、起きる訓練になる。一番効果的 |
| 内服薬(デスモプレシン) | 夜の尿量を減らす(遠足・合宿の時のみ使用も可) |
| 抗コリン薬 | 膀胱の過活動がある場合 |